コラーゲンの食品原料への利用

〔1〕はじめに

美容・健康食品としてのイメージがつよいコラーゲンであるが、最近コラーゲンを豊富に含む料理にも注目が集まっている。病気や老化の原因が、医学の進歩と供に解明されるにつれ、コラーゲンの役割も改めて見直されている。

〔2〕コラーゲンとは

タンパク質の一部で人体のたんぱく質の3分の1を占めています。特に皮膚や骨、間接 (軟骨)、腱、血管などに多く含まれている。
人体中のコラーゲン比率(水分除く)コラーゲン分子の3重ラセン構造
皮膚71%
25%
軟骨53%
86%
大動脈16%
20%
コラーゲン分子の3重ラセン構造

コラーゲンのアミノ酸組成
コラーゲンのアミノ酸組成

〔3〕コラーゲンの美容効果

下記効果があるといわれています。
間接の痛み緩和軟骨に弾力性を持たせクッションの役割を果たすコラーゲン。軟骨の半分以上を占めており、骨密度を上げるカルシューム摂取だけでは不十分です。
骨粗しょう症予防骨の約1/4はコラーゲン。骨からカルシュームが流出する事が原因の骨粗しょう症。流出するのは骨のコラーゲンが老化して カルシュームをつなぎとめる力の不足による。
肌の老化防止皮膚老化とコラーゲン老化は密接な関係にある。老齢期は、最盛期の約2割程度になるといわれる。
真皮コラーゲンの減少=表皮の細胞萎縮=シワ。
皮膚の基底層をささえる真皮層のコラーゲンの合成を促進し、これに連鎖して表皮の新陳台車が活性化。
同時に保湿性に関しても、アミノ酸の機能としてコラーゲンの約1/3を占めるグリシンに保湿性があることが知られている。

〔4〕コラーゲン摂取方法

体で新陳代謝を繰り返すコラーゲンも25歳前後から新しいコラーゲンの合成化が衰え、いわゆる老化現象といわれる症状がおこる。
コラーゲンを構成する18種類のアミノ酸単体の摂取では合成量は増えずそのものの摂取がよいとされている。コラーンの減少補給=コラーゲンそのものの摂取が必要。食べたコラーゲンは体内で消化・吸収後、再度コラーゲンに構成される。

〔5〕コラーゲン製造方法

化粧品や医療用コラーゲンは、動物から純粋な形でとりだしたもので、分子量約10万のヘリックス構造をもつポリペプチド鎖が3万集まり、3重ラセン構造を形成している約30万の高分子たんぱく質。
これを長時間水と加熱すると分子構造が変化をきたし、3本鎖がとけ可溶性となり液中に抽出される。これを濃縮乾燥させたものがゼラチンであり、分子量約5万〜10万。
さらにこれを酵素等により低分子化し、分子量3千〜2万にしたものがコラーゲンペプチド。たんぱく質がアミノ酸に分解されるまでの中間体。

〔6〕弊社関連メーカー製造コラーゲンの特徴

製造工程を重ね、低分子にするほど体内への吸収率が高いコラーゲン。約3千倍の低分子コラーゲンをコラーゲン豆腐にも採用しております。


(以下、財団法人日本食品分析センターによる分析試験成績書より抜粋)


<コラーゲン分析表>

分析試験項目結果検出限界分析方法
水分8.7g/100g

常圧加熱乾燥法
たんぱく質90.0g/100g
1ゲルダール法
脂質φ

ソックスレー抽出法
灰分0.9g/100g

直接灰化法
糖質0.4g/100g
2
エネルギー362kcal/100g
3
食物繊維検出せず0.5g/100g
酸素一重量法
ナトリュウム364mg/100g

原子吸う光光度法
カルシウム2.1mg/100g

原子吸う光光度法
注1)窒素・たんぱく質換算係数:5.55
注2)栄養表示基準(平成8年厚生省告示第146号)による計算式:100−(水分+たんぱく質+脂質+灰分+食物繊維)
注3)栄養表示基準(平成8年厚生省告示第146号)によるエネルギー・換算係数:たんぱく質,4:脂質,9:糖質,4


<水溶性ペプタイド分析成績表>

分析試験項目結果検出限界分析方法
アミノ酸


アミノ酸自動分析法
ただし、トリプトファンは
高速液体クロマトグラフ法
アミギニン7.84g/100g

リジン3.83g/100g

ヒスチジン0.38g/100g

フェニルアラニン1.72g/100g

チロシン0.27g/100g

ロイシン2.68g/100g

イソロイシン1.46g/100g

メチオニン0.84g/100g
1
パリン2.18g/100g

アラニン9.68g/100g

グリシン25.1g/100g

プロリン14.8g/100g

グルタミン酸10.6g/100g

セリン3.53g/100g

スレオニン1.85g/100g

アスパラギン酸6.07g/100g

トリプトファン検出せず0.01g/100g
シスチン0.05g/100g

ヒドロキシプロリン12.5g/100g

アミノ酸自動分析法
ヒドロキシリジン0.98g/100g

アミノ酸自動分析法
注1)過ギ酸酸化処理後、塩酸加水分解し測定した。





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